私は19歳の時、林業会社に入社し伐採の仕事を始めました。
幼い時から父に連れられて各地の山々へ登山に行っていたので、自然の中にいることは特別なことではなく、日常的な当たり前のことでした。そんな自分にとって、自然の中で働く「林業」という仕事に就いたことは、自然な流れでした。

木の倒れる迫力に魅了され、伐採業に夢中になった私はある時、「空師」と呼ばれる仕事に出会い、空師を目指すようになりました。

※空師とは、高い樹木に登り、木の上でつるし切りや段切りといった方法で木を伐採（特殊伐採）する職人のことです。樹木より高い建物がなかった江戸時代に、空に一番近い木の上で仕事をすることから、空師と呼ばれるようになったと言われています。

特殊伐採の技術を学び、段々と空師の仕事ができるようになってきたころには、チャンスがあれば日本全国どこまででも他の空師の方の仕事を見に行っていました。独立して特殊伐採を生業とした会社を立ち上げたいと思い始めたのもそのころでした。